鷹山と平洲上杉鷹山と、その師・細井平洲

細井平洲 人とのつきあい

先施

せんし

まず自分の方から働きかける。相手の出方を待たない。

「先んじて施す」の意。平洲は「人との付き合いでは、相手からの働き掛けを待つのではなく、自分の方から働き掛けていかなければなりません」と説く。

この教えが具体的なのは、平洲が例を添えているところである。下の者が上の者の前に出たとき、上の者が「まず、こちらへ」と声を掛けなければ、下の者は前に進むことができない。上の者が下からの働きかけを待っていたり、年寄りが幼い子から懐かれるのを待っていたりしては、話が始まらない、と。

つまり先施は、心がけの問題ではなく、立場の問題として説かれている。声を掛けられる側は、掛けられるまで動けない。動ける側が動かなければ、関係は生まれない。

鷹山が藩主自ら質素な暮らしを実行して手本を示したことも、この考え方の実践にあたる。命じることと、自分がまずやってみせることの間には、相手の受け取り方に大きな差がある。現代の組織でも、上が号令だけかけて自分は変わらないとき、下は動かない。順序の問題であって、熱意の問題ではない。

出典:東海市公式ウェブサイト「細井平洲のことば」


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