鷹山と平洲上杉鷹山と、その師・細井平洲

細井平洲 人を育てる

人に、善いことと悪いことを判断して見分けることを教えなくて、善いことをしなさい、悪いことをしてはいけない、と言っても、その判断ができるものではありません

善悪を見分ける力を教えずに、善くしろと命じても意味がない。

東海市が現代語で紹介している一節。

命令ではなく判断力を育てよ、という主張である。何が善で何が悪かを見分ける力そのものを教えないまま「善くあれ」と言うのは、道具を渡さずに仕事を命じるのに等しい。

この一節は、平洲が教育を「正しい答えを覚えさせること」ではなく「判断できるようにすること」と捉えていたことを示す。覚えた答えは、場面が変われば使えない。判断する力は、初めて出会う場面でも働く。

藩主の教育という文脈で読むと、意味はさらに重くなる。藩主は前例のない事態に決断を迫られる立場である。覚えた正解を並べられても役に立たない。だから平洲は、若い鷹山に判断の仕方を教えた。

現代でも、マニュアルを増やすことと、判断できる人を育てることは別の作業である。前者だけを増やすと、マニュアルに無い事態で誰も動けなくなる。

出典:東海市公式ウェブサイト「細井平洲のことば」


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